市販後医薬品の安全性調査は、我が国では1967年の「副作用報告制度」に始まります。 発足当初は製薬企業からの報告はほとんどなく、我が国における市販後医薬品の安全性調査が、 その始まりにおいて現場主導で運営されていたことは忘れられてはならない事実です。
1980年からの「使用成績調査」、1991年からの「特別調査」、2001年からの「市販直後調査」など、 我が国でPMS(Post-marketing surveillance)といえば、 製薬会社が実施するものと一般には考えられていますが、 新しい世紀に国民的要請に応える医薬品の安全性調査に必要なのは、 日本の市販後医薬品の安全性調査制度をその開始時期において支えた現場主導のしくみにほかなりません。
本NPOは英国で1980年代初頭から民間”Charity”のDrug Safety Research Unit(DSRU)が、 主に新薬を対象に製薬会社から独立して実施してきた処方-イベントモニタリング (Prescription-Event Monitoring, PEM)を日本に適した形で実施する「日本版PEM(J-PEM)」の事務局として 2001年に設立されました。
J-PEMは
平成8-9年度厚生科学研究「わが国における英国PEM類似のイベントモニタリングを 実施するための条件に関する研究」 (主任研究者:黒川清)
平成10-12年度厚生科学研究「日本版処方-イベントモニタリング(J-PEM)のパイロットスタディ」 (主任研究者:久保田潔)
の研究成果をもとに
- 日本薬剤師会
- 日本病院薬剤師会
- 日本医師会総合政策研究機構
の参加・協力の下に東京大学医学部薬剤疫学講座が主催して実施されてきました。