医師主導治験において厚生労働大臣に提出する副作用・感染症症例報告書の効率的作成手順を研究し、治験を実施する医師の求めに応じて副作用・感染症症例報告書の作成を支援することを目的に、平成15年度から実施している事業です。次の3つの事業からなっています。
DSRU Japan News 臨時増刊号(2004年2月発行)をご覧ください (会員へのお知らせのページからご覧ください)。
「重篤な有害事象報告書」:医師主導治験の当該医療機関で発生した副作用を治験調整医師など関係者に報告する「重篤な有害事象報告書」の様式を検討した。当NPOと日本医師会治験促進センターが協力して作成し、最終的に「国立病院様式13A」を若干改変した報告書を提案した。
重篤な有害事象報告書(PDF)(新しいウィンドウで開きます)
現在、以下の薬剤に関する医師主導治験の副作用等報告書の作成支援を実施している。
[a] 治験の名称:造血器疾患患者を対象としたアレムツズマブを用いたHLA不一致血縁ドナーからの同種造血幹細胞移植療法の安全性及び有効性の検討(多施設共同医師主導治験)
[b] 治験の名称:再生不良性貧血に対するアレムツズマブを用いた同種造血幹細胞移植療法の安全性及び有効性の検討(多施設共同医師主導治験)
作成ツール:以下の2つのツールを用意しているが、主に[2]を用いて作成事業を実施している。
企業治験向けの医薬品等副作用・感染症症例報告等作成ツール "E2B Writer" を基に、医師主導治験向けの仕様変更を行ったツール。
医師主導治験に特に必要な機能として、複数の有害事象それぞれの未知・既知の別と重篤性の基準から、法に基づき報告する有害事象を選択することができる。
そのほか、有害事象についてはMedDRAの用語以外にも原記載を出力することも可能である。また、それぞれの入力項目に関する課長通知の関連箇所などが表示されるなどの機能も持っている。
マイクロソフト社のInfoPath、Access、Excelを組み合わせて当NPOが作成した独自システム。入力済データはデータベースに蓄積される。入力はInfoPathの入力フォームを用いて行う。
平成18年4月の治験終了に伴い、支援終了した。
治験の名称:新生児及び小児(6歳以下)におけるクエン酸フェンタニルの投与量、有効性の確認と安全性の評価 -非対照、非盲検試験-
平成20年度より、「アルブミン尿を有する高血圧患者におけるレニン・アンジオテンシン系抑制薬投与を中心とした通常療法に対するエプレレノン併用の優位性を検証する臨床試験」(EVALUATE: Eplerenone Combination Versus Conventional Agents to Lower Blood Pressure on Urinary Antiproteinuric Treatment Effect Trial)の重篤有害事象情報の管理業務を開始した。
EVALUATE試験は医師による自主的な臨床試験であり、平成20年10月に実施計画書が作成され21年4月に症例登録がスタートした。
この試験はGCPのもとで行われる医師主導治験と異なり有害事象の厚生労働大臣への緊急報告(7日報告、15日報告)の義務を負わず、また平成20年7月31日に改正された「臨床研究に関する倫理指針」の施行前に計画されたため、倫理指針改正で新たに定められた重篤有害事象の厚生労働大臣への逐次的な報告義務も課せられていない。
しかし、EVALUATE試験では、試験において発生した重篤有害事象の情報を国際的なスタンダードに沿って各参加施設の医師間で共有するため「重篤な有害事象症例報告書」を作成し、「死亡・生命を脅かす未知の重篤な有害事象については」7日以内を目安に、「その他の全ての重篤な有害事象」については15日以内を目安に、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)上の本試験関係者のみが閲覧可能なWeb siteに掲載する。
DSRU Japanでは、参加施設から試験事務局に送付された重篤有害事象の情報をもとに、「重篤な有害事象症例報告書」を期日までに作成するとともに、「重篤な有害事象報告一覧表」を定期的(1ヶ月に1回を目安)に作成する。
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